転職の面接の最後に「何か質問はありますか」と聞かれて、何を聞けばいいか迷っていませんか。例文を調べて用意したものの、本当にこれで評価されるのか不安な方も多いはずです。
私はWEB系事業の責任者として、300名以上の採用面接を担当してきました。その経験から言えるのは、逆質問で印象に残るのは、例文を覚えてきた人ではなく、応募先のことを調べたうえで自分の言葉で質問してきた人だということです。
この記事では、面接官が逆質問で見ていること、印象に残る逆質問の作り方、面接の段階ごとの考え方、評価を下げる質問までを、採用する側の視点で解説します。読み終えるころには、次の面接で使う逆質問を自分で2〜3個作れるようになります。
転職面接の逆質問で面接官が見ていること
面接官は、逆質問を単なる質疑応答の時間とは考えていません。応募者が自分から何を聞いてくるかで、面接中の受け答えだけではわからない部分を確かめています。
志望度の高さと企業理解の深さ
逆質問の内容には、応募先をどれだけ調べてきたかがそのまま表れます。会社のホームページを見ればわかることを聞けば、企業研究をしていないと受け取られます。反対に、サービスや事業の中身に踏み込んだ質問ができれば、それだけで志望度の高さが伝わります。
入社後に活躍する姿が想像できるか
面接官は、応募者が入社した後にどう働くかを想像しながら話を聞いています。入社後の仕事の進め方や、成果を出すために必要なことを聞いてくる人は、働く姿が具体的に浮かびます。私が採用を担当していたとき、面接で質問をしてこない受け身の人は、入社してもすぐに辞めてしまいそうだと感じていました。
自分の言葉で話しているか
ある程度経験を積んだ面接官であれば、応募者が他人の言葉を使っているのか、自分の言葉で話しているのかはすぐにわかります。インターネットで見つけた例文をそのまま使った逆質問は、多くの応募者が同じことを聞くため、面接官にとっては聞き慣れた質問です。評価を下げることはなくても、印象には残りません。
面接官が評価の軸として何を見ているかは「WEB業界で300名以上の面接に携わった事業責任者が教える、採用のリアル」でも詳しく紹介しています。
- 志望度の高さと企業理解の深さ
- 入社後に活躍する姿が想像できるか
- 自分の言葉で話しているか
印象に残る逆質問は3つの要素で作る
例文を覚えるのではなく、次の3つの要素を組み合わせて、自分だけの逆質問を作りましょう。この型で作れば、どの会社のどの面接でも使えます。
| 要素 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| ①調べた事実 | 応募先のサービス・事業・求人票から自分で調べたこと | 「御社のアプリの口コミを見ると、予約機能への要望が多いようでした」 |
| ②自分の考え | その事実に対して自分が考えたことや、これまでの経験 | 「前職で似た機能を改善した経験があり、〇〇のやり方が効果的だと感じています」 |
| ③質問 | 面接官が自分の言葉で答えられる問い | 「現在、この課題にはどのように取り組まれているのでしょうか」 |
応募先について調べた事実を入れる
まずは、応募先のホームページ、サービスの利用画面、口コミ、プレスリリース、求人票などを読み、気になった点を書き出します。自分でサービスを使ってみると、ほかの応募者が気づかない点が見つかりやすくなります。質問の前に調べた事実を一言添えるだけで、企業研究をしてきたことが伝わります。
自分の考えや経験を一言添える
調べた事実に対して、自分がどう考えたか、これまでの仕事でどんな経験をしてきたかを短く添えます。ここが、例文にはない「自分の言葉」になる部分です。長く話すと自己アピールの時間になってしまうため、1〜2文に収めましょう。
面接官が自分の言葉で答えられる問いにする
最後の質問は、「はい」「いいえ」で終わらず、面接官が自分の考えや現場の様子を話せる形にします。「〇〇はありますか」ではなく、「〇〇にはどのように取り組まれていますか」「〇〇で成果を出している方には、どんな共通点がありますか」のように聞くと、会話が広がります。
- 応募先について調べた事実を入れる
- 自分の考えや経験を一言添える
- 面接官が自分の言葉で答えられる問いにする
採用担当として印象に残った逆質問の例
私が面接を担当した中で、特に印象に残っている逆質問を2つ紹介します。どちらも、先ほどの3つの要素がそろっていました。
サービスの問題点を研究し改善策まで用意してきた人
1人目は、応募先である私たちのサービスを実際に調べ、問題点と、それに対する自分なりの改善策まで準備したうえで質問してきた人です。
入社前からサービスを自分ごととして考えていることが伝わり、今でも強く印象に残っています。
就きたいポジションに就くための条件を聞いてきた人
2人目は、自分が将来就きたいポジションを明確にしたうえで、そのポジションに就くためにはどんな条件が必要かを聞いてきた人です。
入社後に何を目指しているかがはっきりしていて、目標に向けて必要なことを自分から確かめようとする姿勢が印象に残りました。将来の目標を語る志望動機と組み合わせると、より説得力が増します。志望動機の作り方は「転職の志望動機の書き方|「この会社を選んだ理由」を4ステップで作る」で解説しています。
面接の段階ごとに逆質問を変える
逆質問は、面接官の立場に合わせて内容を変えると効果的です。同じ質問をどの面接でも使うのではなく、その人だからこそ答えられることを聞きましょう。
| 面接の段階 | 主な面接官 | 聞くとよいこと |
|---|---|---|
| 一次面接 | 人事担当・現場の社員 | 仕事の進め方、入社後の流れ、職場の雰囲気 |
| 二次面接 | 現場の責任者・部門長 | チームの課題、成果の基準、求められる役割 |
| 最終面接 | 役員・社長 | 会社の方向性、事業の今後、期待すること |
一次面接では仕事の進め方と入社後の流れを聞く
一次面接は、人事担当や現場の社員が面接官になることが多い段階です。入社後にどのように仕事を覚えていくのか、配属先ではどんな流れで仕事が進むのかなど、働き始めてからの具体的な姿を確かめる質問が向いています。
- 例:「求人票に〇〇の経験を活かせるとありました。入社後は、まずどのような業務から担当することが多いのでしょうか」
- 例:「御社のサービスを使ってみて、〇〇の使いやすさが印象に残りました。現場の方々は、日々どのようにお客様の声を集めていらっしゃるのでしょうか」
二次面接では現場の課題と成果の基準を聞く
二次面接は、配属先の責任者が面接官になることが多い段階です。私自身も主に二次面接を担当していました。現場の責任者は、この人と一緒に働けるか、チームの課題を任せられるかを見ています。そのため、チームが今抱えている課題や、どんな人が成果を出しているかを聞く質問が効果的です。
- 例:「〇〇の事業で新しい取り組みを始められたと拝見しました。現在、チームとして一番力を入れている課題は何でしょうか」
- 例:「このポジションで成果を出している方には、どのような共通点がありますか。前職で〇〇に取り組んできた経験を、どう活かせるか考えたいと思っています」
最終面接では会社の方向性と期待されることを聞く
最終面接は、役員や社長が面接官になる段階です。現場の細かい業務よりも、会社がこれからどこを目指しているのか、その中で自分に何を期待されているのかを聞くと、長く働く意思が伝わります。
- 例:「中期経営計画で〇〇の強化を掲げていらっしゃいました。その中で、このポジションにはどのような役割を期待されていますか」
- 例:「入社後、〇〇のポジションを目指したいと考えています。そのために、どのような成果や経験が求められるでしょうか」
最終面接で役員が確かめていることは「転職の最終面接で聞かれること|役員が確かめる3つのポイントと答え方」で解説しています。
評価を下げる逆質問
逆質問は、内容によっては評価を下げることもあります。次のような質問は避けましょう。
調べればわかることを聞く
会社のホームページや求人票に書いてあることを聞くと、企業研究が足りないと受け取られます。気になることがあっても、まずは自分で調べ、その上でわからなかった部分を聞くようにしましょう。
給与や残業など条件のことだけを聞く
給与や残業、休日などの条件は大切ですが、逆質問がそれだけになると、仕事内容より条件を重視していると受け取られることがあります。どうしても確認したい場合は、仕事に関する質問をしたうえで、「働き方についても伺ってよろしいでしょうか」と前置きしてから聞きましょう。条件面の細かい確認は、内定後の面談や転職エージェントを通じて行う方法もあります。
面接の中ですでに説明されたことを聞く
面接の途中で説明されたことをもう一度聞くと、話を聞いていなかったと思われます。用意した質問の答えが面接中に出てしまった場合は、「先ほど〇〇と伺いましたが、さらに△△についても教えていただけますか」と、一歩踏み込んだ質問に変えましょう。
自信のなさや受け身の姿勢が伝わる質問
「未経験でも大丈夫でしょうか」「仕事は教えてもらえますか」のような質問は、受け身の印象を与えます。同じことを確かめたい場合でも、「入社までに学んでおくとよいことはありますか」のように、自分から動く姿勢が伝わる聞き方に変えましょう。
- 調べればわかることを聞く
- 給与や残業など条件のことだけを聞く
- 面接の中ですでに説明されたことを聞く
- 自信のなさや受け身の姿勢が伝わる質問
逆質問を準備する手順
面接の前に、次の手順で逆質問を準備しましょう。1つの面接につき2〜3個用意しておくと、面接中に答えが出てしまっても慌てずに済みます。
- 応募先のホームページ、サービス、口コミ、プレスリリース、求人票を読み、気になった点を3つ以上書き出す
- 書き出した点ごとに、自分の考えや経験を1〜2文で添える
- 面接官が自分の言葉で答えられる問いの形にする
- 面接の段階(一次・二次・最終)に合わせて、聞く質問を振り分ける
- 声に出して読み、1つの質問が30秒ほどで言い終わる長さに整える
応募先の組織の状況や、配属先が抱えている課題までは、外からは調べきれないこともあります。私が採用を担当していたとき、付き合いの深い転職エージェントから紹介された応募者は、会社のことをよく理解していて、面接での会話が濃くなる傾向がありました。転職エージェントを通じて応募すると、担当者から企業の内情を聞けることがあるため、逆質問の材料を集める手段としても活用できます。
無料の診断(1分ほど)
まだ迷っているなら、1分の質問で整理する
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よくある質問
逆質問で「特にありません」と答えてもいいですか?
できるだけ避けましょう。志望度が低い、または受け身だと受け取られる可能性があります。面接の中で疑問がすべて解消した場合は、「本日のお話で〇〇がよくわかりました。特に△△のお話を伺って、ますます御社で働きたいと感じました」のように、面接で感じたことを伝えて締めくくると印象が良くなります。
逆質問はいくつ用意すればいいですか?
1つの面接につき2〜3個用意しておくと安心です。実際に聞くのは1〜2個で十分です。面接の時間が押している場合は、1つに絞って聞きましょう。
給与や残業について逆質問で聞いてもいいですか?
聞いてはいけないわけではありませんが、逆質問がそれだけにならないようにしましょう。仕事内容についての質問をしたうえで、前置きをしてから聞くと印象を下げにくくなります。内定後の面談で確認する方法もあります。
面接中に聞きたかったことの答えが出てしまったらどうすればいいですか?
同じ質問を繰り返すのではなく、答えを受けてさらに踏み込んだ質問に変えましょう。「先ほど〇〇と伺いましたが」と前置きすると、話をしっかり聞いていたことも伝わります。
まとめ
転職面接の逆質問では、面接官は志望度の高さ、入社後に活躍する姿、そして自分の言葉で話しているかを見ています。例文をそのまま使うのではなく、調べた事実、自分の考え、面接官が答えられる問いの3つを組み合わせて、自分だけの逆質問を作りましょう。
- 応募先を調べ、気になった点を書き出す
- 自分の考えや経験を添えて、面接官が答えやすい問いにする
- 面接の段階に合わせて、2〜3個用意しておく
逆質問は、面接の最後に自分をもう一度印象づけられる時間です。次の面接に向けて、今日から応募先の情報を読み直し、自分だけの質問を作ってみてください。面接全体でよく聞かれる質問の答え方は「転職の面接でよく聞かれる質問と答え方」で解説しています。



