仕事を辞めてから転職活動をしても大丈夫?迷った時の考え方

この記事の執筆者

この記事の執筆者

キャリア転職ナビ+ 運営者(元採用担当)

自身も3回の転職を経験し、いずれもキャリアアップにつなげてきました。
企業側の採用担当として300名以上の選考に携わり、書類選考・面接・評価・採用判断まで一貫して担当してきました。

転職者と採用担当の両方の視点から、「何が評価され、何がミスマッチを生むのか」を構造的に理解しています。

本記事では、唯一の正解を示すのではなく、あなた自身が後悔しない判断基準を持てるよう情報を整理しています。

「仕事を辞めてから転職活動を始めても大丈なんだろうか」そう考える裏側には、「早く転職したい」「早く今の職場から離れたい」という気持ちが強いかと思います。

なるべく早く転職に成功するには、転職活動を始めるタイミングと手順が重要な鍵となります。

この記事では、転職活動を始める時の考え方と何から始めるのかを詳しく解説しています。

退職してから転職するか迷っている人におすすめの考え方

余裕を持って理想の転職先を選ぶには在籍中に活動を始めるのが基本です。

理由は、経済面・精神面の余裕がなくなるほど、複数の選択肢を比較検討する余地がなくなり、「選ぶ」のではなく「決めさせられる」状態に追い込まれやすいからです。

退職して転職活動が長引くほど、収入が途絶えている不安が積み重なり、無職の期間や不採用の数が増えるほど精神的な負担も大きくなります。その状態で活動を続けると、比較する余裕がなくなり、目の前で内定が出た会社を「とりあえず決める」という選び方になりがちです。

その結果起きやすいのが、以前の会社より労働環境が悪くなる、給料が下がっただけで何も変わらない、といった「転職の失敗」です。

選ぶ側でいられるうちに動くか?選ばれるのを待つ側になってから動くか?この違いが、転職の結果を大きく左右します。

在職中に転職するメリット

在職中に転職活動を始めるメリットは下記になります。

  • 経済的な危機に追い込まれる心配がない
  • 「実績」が不足していても仕事の中で積み直せる
  • 直近の業務内容や成果をリアルタイムで棚卸しできる
  • 転職活動が思うように進まなくても、後がないという焦りに追い込まれずに済む

在職中に転職活動を始めることで、金銭面で負担がないこと、不足している要素があるときに方向転換しやすいことが大きなアドバンテージとなります。

在籍中に転職するデメリット

厚生労働省の調査でも、転職活動を始めてから退職するまでの期間は「1カ月以上3カ月未満」が最も多く、多くの人が数ヶ月以内に活動を終えています。「在籍中は時間がなくて大変」というイメージほど、実際には時間的な制約は大きくないと言えます。

一方で、今の生活に転職活動を上乗せすることによるデメリットはあります。

  • 趣味や休息に使っていた時間が、転職活動に置き換わる
  • 仕事と転職活動を並行することで、単純に体力の消耗が増える

これらは「時間が足りない」というより、「今までの生活の余白が削られる」という種類の負担です。転職活動中は、この負担をあらかじめ見込んでおくことが必要です。

できるだけ早く退職したい場合

在籍中に転職先を決めるのが理想ですが、「転職の目処が立った時点で退職する」という選択肢もあります。

あとは面接を重ねるだけの段階まで進んでいる、手応えを感じている企業が複数社ある、といった状態であれば、退職を決めても大きなリスクにはなりにくいです。

また、内定が出てから入社するまでの期間を、引き継ぎや心身の準備、休息にあてられるというメリットもあります。

転職活動を始めてから退職するまでにかかる期間

「在籍中に始めた方がいい」と言われても、実際にどれくらいの期間がかかるのか分からなければ、行動には移しにくいと思います。ここでは厚生労働省の「令和2年転職者実態調査」をもとに、実際のデータを確認します。

転職活動を始めてから退職するまでの期間

正社員を対象にした調査では、転職活動を始めてから前職を辞めるまでの期間は「1カ月以上3カ月未満」が最も多く30.3%、次いで「転職活動期間なし」が21.5%という結果になっています。「転職活動期間なし」とは、転職活動をする前に退職を決めていたケースを含むため、在籍中に動き出した人の多くは、1〜3ヶ月程度で退職に踏み切っていることが分かります。

退職してから転職するまでの期間

一方、前職を辞めてから現在の勤め先に就職するまでの期間は「1か月未満」が27.6%、「離職期間なし」が26.1%、「1か月以上2か月未満」が13.3%となっており、全体としては比較的短期間で次の職に就いている人が多いというのがデータ上の傾向です。

ただし、これはあくまで全体の平均的な傾向です。実績や自己プロデュース力が言語化できていない状態で退職した場合、このデータより長引く可能性は十分にあります。

在籍中に転職活動は始められないケース

ここまで「在籍中に始めるべき」という話をしてきましたが、状況によっては、転職活動よりも先に退職を優先した方がいいケースもあります。以下に当てはまる場合は、無理に在籍を続けようとせず、退職を優先してください。

  • 心身に不調が出ている場合
  • 拘束時間が長く、転職活動そのものを始められない場合
  • 資格取得やスキルアップのための期間が必要な場合
  • 退職日がすでに決まっている場合

先に退職した人の転職活動の始め方

すでに退職している場合、またはこれから退職せざるを得ない場合は、限られた期間の中でどう動くかが重要になります。まずは自分の状況を把握するところから始めてください。

自己分析

転職活動に必要な条件が、自分にどれだけ揃っているかを確認します。

  • ① 貯金:収入が途絶えても、活動期間の長さに左右されない経済力があるか
  • ② 実績:運や結果ではなく、「このプロセスを踏むから成果が出る」と説明できる、再現可能な実績があるか
  • ③ 自己プロデュース力:その実績を、相手に伝わる形で語れるか

この3つが揃っている人ほど、退職後でも決断を迫られにくく、短期間で転職先を決められます。私自身、退職後に転職活動をした際、実績には自信がありましたが、それをうまく相手に伝えられず、活動が長期化しました。②はあっても③が不足していたことが、長引いた一因だったと考えています。

分析結果から導かれる行動

  • ①(貯金)が不足している場合:生活防衛費の目安を先に計算し、その金額で活動できる期間を逆算します。不足する場合は、アルバイトや単発の仕事も選択肢に入れておくと、収入が完全に途絶える状態を避けられます
  • ②③(実績・自己プロデュース力)が不足している場合:転職エージェントを利用し、実績の棚卸しや伝え方の整理を手伝ってもらうことで、不足を補いながら活動を進められます

面接での伝え方

先に退職している場合、面接では「なぜ在籍中に動かなかったのか」「ブランクの期間は何をしていたのか」を聞かれる場面が出てきます。「前職がつらくて辞めた」というように、退職理由をそのまま動機として伝えると、計画性がない印象を与えやすくなります。

退職から現在までを、判断のプロセスとして説明することがポイントです。例えば、経済面の余裕を保つためにアルバイトをしながら活動した場合も、「収入が途絶えたから仕方なく」ではなく、「妥協せずに転職先を選ぶための判断として選んだ」という伝え方に変えるだけで、同じ事実が前向きな判断力の証明に変わります。

まとめ

転職活動は、今の自分がどんな状況に置かれているかによって、取るべき行動が変わります。基本的には、在籍中に転職活動を始めるのが安全です。すでに退職している、または退職を選べない場合は、貯金・実績・自己プロデュース力のうち何が自分に不足しているのかを自己分析から把握し、足りない要素を補いながら転職活動を進めてください。

当サイトの記事について

■この記事の位置づけ

本記事は、特定の“正解”を提示するものではなく、転職における判断基準を整理するための情報です。

■転職に対する考え方

転職には唯一の正解は存在せず、重要なのは「自分が納得できる意思決定ができるかどうか」です。

■情報の提供方針

キャリア転職ナビ+では、転職者としての実体験と、採用担当としての評価視点の両方から、 後悔しないキャリア選択のための情報を発信しています。

“情報を得ること”ではなく、“自分で判断できる状態になること”を目的としています。

転職の判断基準
キャリア転職ナビ+をフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました