「今すぐ辞めたい。でも次が決まっていないまま辞めて、転職活動はうまくいくのだろうか」と迷っていませんか。
私はWEB系の事業責任者として300名以上の採用面接に携わり、退職後に応募してきた方も数多く面接してきました。この記事では、辞めてから動いていい人の条件と、面接官が退職後の応募者のどこを見ているか、辞めたあとのお金と進め方をまとめています。
在職中に動くのが基本 ただし辞めてから動いていい人もいる
転職活動は、できれば在職中に始めるのが基本です。収入が続いている間は、焦って内定先を決める必要がなく、複数の会社を比べながら選べるからです。
ただし、辞めてから転職活動をすること自体が、それだけで不利になるわけではありません。心身の不調やハラスメントなど、今の職場にいること自体がつらい場合は、先に辞めて立て直す方がよいこともあります。
大切なのは、自分がどちらに当てはまるかを見極めることと、辞めた場合に空白の期間をどう過ごし、どう説明するかを考えておくことです。
辞めてから動いていい人と在職中に動くべき人
自分の状況に近いものを確かめてください。
| 今の状況 | おすすめの動き方 |
|---|---|
| 心身の不調が続いている・ハラスメントを受けている | 先に辞めて(または休職して)、回復を優先する |
| 残業や休日出勤が多く、転職活動の時間がまったく取れない | 辞めてから動くことも考えてよい |
| 生活費の数か月分の貯金がない | 在職中に動く |
| 今の会社での勤務期間が1年に満たない | 在職中に動く(失業保険を受け取れない可能性がある) |
| 次にやりたい仕事の方向がまだ決まっていない | 在職中に情報を集めてから決める |
面接官は退職後の応募者をどう見るか
期間より空白の間に何をしていたかを見る
私が面接官をしていたとき、空白の期間があっても、その長さ自体はそれほど気にしていませんでした。気になったのは、その間に何をしていたかです。
- 資格の勉強などの自己投資をしていた場合は、その内容を聞いていました
- 家族の事情などプライベートな理由の場合は、特別なことはせず、通常どおりの手順で選考を進めていました
- 休息のための期間だった場合は、今は働ける状態に戻っているかを判断の基準にしていました
空白の期間は、長さより「何をしていたかを説明できるか」で見られます。
経緯と経験を結論から話せるか
仕事をしていない状態で応募してきた方の面接では、辞めた経緯、空白の期間、これまでの経験を中心に話を組み立てて聞いていました。そのやり取りの中で、筋道を立てて考えられているか、結論から話せているかを見ると、社会人としての基礎力がある程度わかります。
辞めたことを申し訳なさそうに話すより、「なぜ辞めたのか」「その間に何をしていたのか」「次に何をしたいのか」を、結論から順に話せる方が印象に残ります。
辞めてから転職するときのお金
失業保険は給付制限と受給の条件を確かめる
自己都合で退職した場合、失業保険(雇用保険の基本手当)には、受け取れるまでの給付制限期間があります。厚生労働省・ハローワークの案内によると、令和7年4月1日以降に退職した人の給付制限は原則1か月です。
また、自己都合で退職した人が失業保険を受け取るには、原則として退職前の2年間に雇用保険に入っていた期間が12か月以上必要です。今の会社に入って1年たっていない場合は、前の会社の期間と合わせて条件を満たすかを確かめてください。受け取れる金額や手続きは「失業保険の自己都合のもらい方」で解説しています。
健康保険・年金・住民税の支払いは続く
会社を辞めると、健康保険と年金は自分で切り替える必要があります。住民税は前の年の所得に対してかかるため、退職したあとも支払いが続きます。
収入がない期間も、これらの支払いは毎月発生します。退職前に、生活費と合わせて何か月暮らせるかを計算しておきましょう。切り替えの手続きと期限は「退職後の手続き一覧」でまとめています。
辞める前にやっておくこと
先に辞めると決めた場合も、退職する前に次のことは済ませておきましょう。
- 生活費と、健康保険・年金・住民税の支払いを合わせて、何か月暮らせるかを計算する
- 残っている有給休暇を確かめ、消化する日程を決める
- 離職票や源泉徴収票など、退職後に必要な書類を受け取る段取りを確認する
- これまでの仕事内容と実績を書き出しておく(在職中の方が思い出しやすい)
- 次に応募したい仕事の方向を、ざっくりでも決めておく
退職の手続き全体の流れは「退職の流れと手続き」で確認できます。
先に辞めた人の転職活動の進め方
休む期間と活動を始める日を決める
疲れて辞めた場合は、まず休むことが必要です。ただし、いつまで休むかを決めずにいると、空白の期間が長くなり、説明もしにくくなります。休む期間と、転職活動を始める日を先に決めておきましょう。
経歴を書き出して応募先の方向を決める
これまでの仕事内容、身につけたこと、うまくいったことを書き出し、次に活かせる経験を整理します。そのうえで、同じ仕事を続けるのか、違う仕事に挑戦するのかを決めると、応募先を絞りやすくなります。
面接の日程を合わせやすい強みを活かす
退職後は、在職中の人よりも面接の日程を合わせやすく、入社日の相談にも柔軟に応じられます。応募から面接までを短い期間で進められるのは、辞めてから動く人の強みです。
空白の期間の伝え方
面接で空白の期間を聞かれたら、何をしていたかを事実で伝え、次にどうつなげるかで締めくくります。
資格の勉強などをしていた場合
「前職を退職後、〇〇の資格の勉強をしていました。今回応募した仕事でこの知識を活かしたいと考えています」と、学んだ内容と応募先とのつながりを伝えます。
家族の事情があった場合
「家族の事情で〇か月ほど仕事を離れていましたが、今は落ち着き、フルタイムで働ける状態です」と、事情が解消していることを伝えます。
休息のための期間だった場合
「前職で体調を崩したため、〇か月ほど休んでいました。今は回復して働ける状態で、同じことを繰り返さないよう、仕事を一人で抱え込まず早めに相談するようにしています」と、今の状態と変えたことを伝えます。
20代が辞めてから動くときの注意
20代は、経験よりこれからの伸びしろで見てもらいやすい時期です。ただし、今の会社での勤務期間が短い場合は、次の2点に気をつけてください。
- 勤務期間が1年に満たないと、失業保険を受け取れない可能性がある
- 短い期間で辞めた理由は、面接で必ずと言っていいほど聞かれる
短期間で辞めたときの伝え方は「短期離職の理由の書き方・伝え方」で、20代で転職するか迷っている場合の判断は「20代で転職すべきか迷ったときの判断基準」で解説しています。
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転職すべきか診断を受けるよくある質問
辞めてから転職活動をすると何か月くらいかかりますか
人によって大きく違います。だからこそ、退職前に何か月暮らせるかを計算し、その範囲で活動の計画を立てておくことが大切です。
空白の期間は何か月までなら大丈夫ですか
期間の長さだけで判断されることは多くありません。面接官が気にするのは、その間に何をしていたかと、今は働ける状態かどうかです。説明できる過ごし方をしておけば、必要以上に心配しなくて大丈夫です。
辞めたことを後悔しないためにはどうすればいいですか
辞める前に、生活費の見通しと、次に応募したい仕事の方向だけは決めておきましょう。この2つがあるだけで、辞めたあとに焦って内定先を決めることを防げます。
まとめ
- 転職活動は在職中に始めるのが基本
- 心身の不調やハラスメントがある場合は、先に辞めて立て直してよい
- 面接官は、空白の期間の長さより、その間に何をしていたかを見ている
- 辞める前に、生活費と健康保険・年金・住民税の支払いを合わせて計算しておく
- 空白の期間は、事実と次へのつながりで説明する



