転職を始めようと思って調べると、転職サイトと転職エージェントの両方が出てきます。どちらも無料で、どちらも「おすすめ」と書かれていて、結局どちらに登録すればいいのか決められない人は少なくありません。
迷ってしまうのは、2つの違いを知っても、自分がどちらに向いているかを判断する基準がないからです。サービスの説明を読むほど、どちらにも良さがあるように見えてきます。
転職サイトと転職エージェントは、優劣ではなく「誰が転職活動を進めるか」が違うサービスです。自分で進められるならサイト、相談しながら進めたいならエージェントが合っています。
この記事では、2つの仕組みの違いと、3つの質問で自分に合うほうを決める方法を解説します。採用する側として300名以上の面接に携わり、3回の転職で探し方を変えてきた編集部の経験から、採用する側にはそれぞれがどう見えているのかもお伝えします。
自分で動けるならサイト 相談したいならエージェント
求人探しから応募、面接の準備まで自分で進められるなら転職サイト、誰かに相談しながら進めたいなら転職エージェントが合っています。
どちらか一方に決める必要はありません。転職サイトで求人を見ながら、書類や面接の準備だけエージェントに手伝ってもらうように、両方を使い分ける人も多くいます。
大切なのは、自分の苦手な部分をどちらで補うかを先に決めておくことです。次の章で2つの違いを確認し、そのあとの3つの質問で、自分がどちらを中心に使えばいいかを決めましょう。
転職サイトと転職エージェントの違い
転職サイトと転職エージェントは、求人を探して応募する人が「自分」か「担当者」かが違います。
| 比べるところ | 転職サイト | 転職エージェント |
|---|---|---|
| 求人の探し方 | 自分で検索して探す | 担当者が希望に合う求人を紹介する(自分で探すこともできる) |
| 応募 | 自分で応募する | 担当者を通して応募する |
| 書類・面接の準備 | 自分で進める | 添削や面接対策を受けられる |
| 面接の日程調整 | 自分で企業とやり取りする | 担当者が調整する |
| 年収などの条件の交渉 | 自分で行う | 担当者が間に入る |
| 進めるペース | 自分で決められる | 担当者と相談しながら進む |
| 費用 | 無料 | 無料 |
厚生労働省の調査では、転職した人が使った方法は、求人サイトや求人情報誌などが45.1%、転職エージェントなどの民間の職業紹介機関が20.9%でした(複数回答、令和7年転職者実態調査)。転職サイトの方が多く使われていますが、両方を使った人も含まれています。
転職サイトは自分で求人を探して応募する
転職サイトは、求人が掲載されているサイトです。勤務地や職種、年収などの条件で求人を検索し、気になる求人に自分で応募します。
担当者がつかないため、いつ、どの求人に、何社応募するかを自分で決められます。プロフィールを登録しておくと、企業からオファーが届く機能があるサイトもあります。
その代わり、求人を比べて選ぶこと、応募書類を作ること、面接の日程を企業とやり取りすることは、すべて自分で行います。
転職エージェントは担当者が求人紹介から内定まで伴走する
転職エージェントは、担当者(キャリアアドバイザー)がついて転職活動を手伝ってくれるサービスです。最初に面談で希望や経歴を伝えると、それに合う求人を紹介してもらえます。
応募書類の添削、面接対策、面接の日程調整、内定後の年収や入社日の交渉まで、担当者が間に入って進めてくれます。転職するかどうか迷っている段階でも、相談に乗ってもらえます。
一方で、担当者と面談する時間が必要になり、紹介される求人も担当者の判断に左右されます。担当者との相性によって、使いやすさが変わるサービスです。
どちらも求職者は無料で使える
転職サイトも転職エージェントも、転職する人は無料で使えます。費用を払っているのは、求人を出す企業の側です。
転職エージェントのような職業紹介の事業者は、原則として求職者から手数料を取ることが法律で禁止されています(一部の職種などの例外を除く、職業安定法第32条の3)。登録したあとで費用を請求される心配はありません。
自分に合うほうが3つの質問でわかる
どちらが合うかは、転職活動の中で自分が「一人でできること」と「手伝ってほしいこと」で決まります。次の3つの質問に、はい・いいえで答えてみてください。
求人を探して比べる時間を取れるか
転職サイトを使うと、求人を探して、比べて、応募先を決める作業をすべて自分で行います。仕事をしながら転職活動をする場合、平日の夜や週末に、求人を見る時間を毎週取れるかを考えてみてください。
時間が取れない場合は、希望に合う求人を絞って紹介してもらえるエージェントの方が進めやすくなります。
書類と面接の準備を一人で進められるか
職務経歴書を書いたり、面接で聞かれることを準備したりするのは、慣れていないと時間がかかります。初めての転職や、前回の転職から時間がたっている場合は、何を書けばいいか、どう話せばいいかで手が止まりやすくなります。
一人で準備するのが不安なら、添削や面接対策を受けられるエージェントが向いています。
転職の目的と譲れない条件が決まっているか
「残業を減らしたい」「年収を上げたい」のように、転職で何を実現したいかと、譲れない条件が決まっていれば、転職サイトで求人を絞り込めます。
まだ目的がはっきりしない場合は、求人を見ても選ぶ基準がなく、目移りしやすくなります。エージェントとの面談で希望を話しながら整理していく方が、早く方向性が決まります。目的の決め方は、転職の自己分析のやり方で解説しています。
答えの組み合わせで使い方を決める
3つの質問の答えから、次のように使い方を決めます。
| 答え | 合う使い方 |
|---|---|
| 3つとも「はい」 | 転職サイトを中心に、自分のペースで進める |
| 「いいえ」が1つ | 転職サイトで求人を探しながら、苦手な部分だけエージェントに手伝ってもらう |
| 「いいえ」が2つ以上 | 転職エージェントを中心に、担当者と相談しながら進める |
「いいえ」が1つの場合、たとえば時間はあるけれど書類が不安なら、求人はサイトで探し、書類の添削と面接対策だけエージェントを頼ると、両方の良いところを使えます。
採用する側から見た2つの違い
転職する人の中には、「エージェント経由の方が受かりやすい」「サイトから直接応募した方が熱意が伝わる」と考える人もいます。採用する側の経験からお伝えすると、どちらの経路から応募したかで合否が決まることはありません。
応募の経路で合否が変わることはない
採用する側が見ているのは、どの経路から来たかではなく、書類と面接の中身です。転職サイトから直接応募しても、エージェントを通して応募しても、評価の基準は同じです。
ですから、「どちらの方が受かりやすいか」で選ぶ必要はありません。自分が転職活動を進めやすいほうを選ぶのが、結果的に内定への近道になります。
元採用責任者の視点
採用する側として、応募の経路で優劣をつけることはありませんでした。転職サイトからの応募も、エージェントからの紹介も、見ていたのは書類と面接の中身です。
付き合いの深いエージェントの紹介は話がかみ合いやすい
経路で優劣はつけませんでしたが、違いを感じたこともあります。付き合いの深いエージェントから紹介される応募者は、会社とのマッチ度が高く、面接での会話も濃くなる傾向がありました。
エージェントは、企業がどんな人を求めているかを把握したうえで求人を紹介します。そのため、応募の段階で会社と応募者のすり合わせがある程度できていて、面接で話がかみ合いやすくなります。
編集部の転職体験
これまで3回転職してきましたが、仕事の探し方は毎回違いました。1回目は自分で求人を探して応募し、3件目の面接で採用が決まりました。2回目は年収を上げるために複数の転職エージェントに相談して、半年ほどかけて活動しました。3回目は求人情報サイトから自分で応募し、1社目で内定が出ました。転職の目的によって、合う探し方は変わります。
それぞれを使うときの注意点
どちらを使う場合も、知っておくとつまずきにくくなるポイントがあります。
転職サイトは条件を決めてから求人を見る
転職サイトには、たくさんの求人が載っています。条件を決めずに見始めると、良さそうな求人に次々と目移りして、なかなか応募先が決まりません。
求人を見る前に、転職の目的と譲れない条件を2〜3個決めておきましょう。条件で絞り込んでから求人を見ると、比べる数が減り、応募先を選びやすくなります。
編集部の転職体験
25歳で転職したときは、転職の目的と、どこまで到達したいかを先に決めたことで、応募先を絞れました。苦労したのは、求人情報から、その会社が求めている役割や能力を読み解くことでした。
転職エージェントは提案をうのみにしない
エージェントから紹介される求人は、担当者が希望に合うと判断したものです。ただ、自分の希望とずれた求人をすすめられることもあります。
紹介された求人が合わないと感じたら、遠慮せずに理由を伝えて断りましょう。担当者との相性が合わない場合は、担当者を変えてもらうこともできます。最終的にどこへ応募し、どこに入社するかを決めるのは自分です。
併用するときは同じ企業に二重で応募しない
転職サイトとエージェントを併用すると、同じ企業の求人が両方に出ていることがあります。サイトから応募した企業に、エージェントからも応募すると、企業側で応募が重なってしまいます。
どの企業にどの経路で応募したかを、一覧にして管理しておきましょう。エージェントには、他のサービスでの応募状況を伝えておくと、日程や内定の時期を調整してもらいやすくなります。
最初に登録するならこの組み合わせ
3つの質問の答えに合わせて、最初の登録先を選んでください。どれも無料で使えます。
自分で探すならリクナビNEXT
リクナビNEXT|自分のペースで探せて企業からのオファーも届く
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種類 | 転職サイト(担当者はつかず、自分で求人を探して応募する) |
| 料金 | 無料 |
| 掲載求人数 | 184万件以上(2026年10月10日時点の表示) |
| 主な機能 | 求人検索、企業からのオファー、AIによる働き方・求人の提案、職務要約の自動作成(会員限定) |
| 運営会社 | Indeed Japan株式会社 |
- こんな人におすすめ:3つの質問がすべて「はい」で、自分のペースで求人を探したい方
- 当サイトの基準で評価が高い点:求人を探しながら、オファーで企業側の反応も確かめられる
- 注意点:書類や面接の準備は自分で進めます。不安があればエージェントと併用しましょう
相談しながら進めるならリクルートエージェント
リクルートエージェント|求人の数から相場をつかめる総合型
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 経験・年代を問わず転職を考えている方 |
| 料金 | 無料 |
| 求人数 | 公開求人 約82万件/非公開求人 約24万件(2026年9月29日時点・採用予定数) |
| サポート内容 | キャリア面談、求人紹介、書類・面接対策、年収交渉・入社日の調整 |
| 運営会社 | 株式会社インディードリクルートパートナーズ |
- こんな人におすすめ:「いいえ」が1つ以上あり、書類や面接の準備を手伝ってほしい方
- 当サイトの基準で評価が高い点:求人の数が多く、面談から入社日の調整まで一通り任せられる
- 注意点:紹介される求人が多くなりやすいため、希望条件の優先順位を先に決めておきましょう
20代で経験に自信がないならUZUZ
UZUZ第二新卒|短期離職からの再スタートを丁寧に支援
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 20代の第二新卒(18〜29歳) |
| 料金 | 無料 |
| サポート内容 | 自己分析、応募書類(キャリアシート)づくり、仕事選び、求人ごとの面接対策 |
| 担当者 | 就活での挫折や短期離職を経験したキャリアアドバイザー |
| 実績 | 就業サポート63,110名、入社3か月後の定着率96%(いずれも2024年5月までの実績) |
| 拠点 | 東京・大阪・旭川 |
- こんな人におすすめ:20代で、職歴が短い・未経験の仕事に挑戦したいなど、一人で進めるのが不安な方
- 当サイトの基準で評価が高い点:内定の数より入社後の定着を重視していて、応募する求人ごとに面接対策をしてもらえる
- 注意点:対象は20代が中心です。30代以上の方は、ほかのサービスもあわせて検討しましょう
LINE登録特典(無料)
どちらを使うか決める前に市場価値を確かめたい方へ
キャリア転職ナビ+のLINEでは、元採用責任者が使っていた視点で作った「市場価値チェック」を無料で受け取れます。採用する側から見て、あなたの評価される要素がどれだけそろっているかがわかるので、自分で探すか、エージェントに相談するかを決める材料になります。
LINEで「市場価値」と送って受け取る押すとLINEが開き、「市場価値」と入力された状態になります。友だち追加がまだの方は、先にこちらから友だち追加してください。
よくある質問
転職エージェントだけを使ってもいいですか
使えます。ただし、エージェントが紹介できるのは、その会社が扱っている求人だけです。気になる企業の求人がない場合もあるため、転職サイトで求人を見ておくか、エージェントを2社ほど使うと、選択肢を狭めずに済みます。
内定が出やすいのはどちらですか
どちらから応募しても、合否の基準は変わりません。採用する側は、応募の経路ではなく書類と面接の中身を見ています。自分が準備を進めやすいほうを選ぶことが、内定につながります。
在職中でも使えますか
使えます。転職サイトは好きな時間に求人を見られ、エージェントは面接の日程調整を任せられるため、どちらも在職中の転職活動に向いています。会社に知られずに進めたい場合の注意点は、転職活動が会社にバレる原因と対策で解説しています。
転職エージェントに登録したら必ず転職しないといけませんか
その必要はありません。相談した結果、今の会社に残ると決めても問題ありません。転職するかどうか迷っている段階なら、先に転職すべきか診断で今の状況を整理しておくと、エージェントとの面談でも話しやすくなります。
無料の診断(1分ほど)
転職するか迷っているなら1分の質問で整理する
エージェントに相談する前に、そもそも今転職するべきかを整理したい場合は、診断を使ってみてください。元採用責任者の視点で作った質問に答えると、今動くべきか、まだ今の職場で試せることがあるかがわかります。
転職すべきか診断を受ける何社に登録すればいいですか
転職サイトは1〜2社、エージェントは2社ほどがおすすめです。エージェントを2社使うと、紹介される求人や担当者の対応を比べられます。登録しすぎると連絡の管理が大変になるため、最初は少なめに始めましょう。
まとめ
転職サイトと転職エージェントは、優劣ではなく「誰が転職活動を進めるか」が違うサービスです。自分で進められるならサイト、相談しながら進めたいならエージェントが合っています。
迷ったら、求人を比べる時間、書類と面接の準備、転職の目的という3つの質問に答えてみてください。「いいえ」が1つなら、サイトで探しながら苦手な部分だけエージェントに手伝ってもらう使い方が向いています。
どちらから応募しても、採用する側の評価の基準は変わりません。自分が転職活動を進めやすいほうを選んで、最初の一歩を踏み出しましょう。



