自己都合で会社を辞めて、失業保険をもらえるのか、いつからいくら入るのかが気になっている方は多いはずです。「自己都合だとすぐにはもらえない」と聞いて、貯金がどこまでもつか不安になっているかもしれません。
自己都合で辞めても、失業保険(雇用保険の基本手当)は受け取れます。ただし、初回の入金は申し込みからおよそ2か月後です。もらえる日数にも限りがあるため、手続きを進めるだけでなく、入金の時期と金額から転職活動の計画を立てておくことが大切です。
この記事では、自己都合で辞めた場合の失業保険の条件、いつからいくらもらえるか、ハローワークでの手続き、受給期間内に転職を決めるための計画の立て方を順番に解説します。
自己都合で辞めても失業保険はもらえる
失業保険は、退職の理由が自己都合でも会社都合でも受け取れます。自己都合の場合に違うのは、受け取れるまでに「給付制限」という待ち期間があることと、もらえる日数が会社都合より少ないことです。
給付制限は、2025年4月1日以降に退職した場合、原則1か月です(以前は2か月)。ただし、過去5年間に正当な理由のない自己都合退職で2回以上受給資格の決定を受けている場合は3か月になります(出典:厚生労働省「自己都合離職者の給付制限の見直し」)。
給付制限が1か月になっても、手続きの流れ上、最初のお金が口座に入るのは申し込みからおよそ2か月後です。そのため、失業保険は「辞めた翌月から入るお金」ではなく、「2か月後から一定期間だけ入るお金」と考えて、生活費と転職活動の計画を立てましょう。
失業保険をもらう前に条件と離職理由を確認する
まずは、自分が失業保険を受け取れる条件を満たしているかと、離職票に書かれた退職理由が正しいかを確認します。退職理由によっては、給付制限がなくなる場合があるからです。
離職前2年間に雇用保険に12か月以上加入している
自己都合で辞めた場合、退職日より前の2年間に、雇用保険に加入していた期間が通算12か月以上あることが条件です。転職してすぐ辞めた場合でも、前の会社の加入期間と通算できることがあります。ただし、前の会社を辞めたときに失業保険を受け取っている場合、その前の期間は通算できません。
すぐに働ける状態で求職活動をしている
失業保険は、働く意思と能力があり、求職活動をしているのに仕事が決まっていない人のためのお金です。病気やけが、妊娠・出産などですぐに働けない場合や、しばらく休養するつもりで仕事を探していない場合は受け取れません。すぐに働けない事情がある場合は、受給期間を延長する手続きができるので、ハローワークに相談しましょう。
離職票の離職理由が実態と合っているか確かめる
自己都合で退職届を出していても、実際の理由によっては「特定受給資格者」や「特定理由離職者」に当たり、給付制限がなくなることがあります。例えば、退職前に長時間の残業が続いていた、賃金が大きく下がった、ハラスメントを受けていた、家族の介護が必要になった、といったケースです。
会社から届いた離職票には、会社が判断した離職理由が書かれています。実態と違う場合は、ハローワークで申し込むときに異議を申し立てられます。残業時間がわかる勤怠の記録や給与明細、メールなど、事実を示せる資料を手元に残しておきましょう。最終的な判断はハローワークが行います。
- 離職前2年間に雇用保険に12か月以上加入している
- すぐに働ける状態で求職活動をしている
- 離職票の離職理由が実態と合っているか確かめる
自己都合の失業保険はいつからいくらもらえるか
ここでは、自己都合で辞めた場合の入金の時期、1日あたりの金額、もらえる日数を順番に確認します。この3つがわかれば、受け取れる総額と、お金が入ってくる期間を自分で計算できます。
初回の入金は申し込みからおよそ2か月後になる
自己都合で辞めた場合、申し込みから最初の入金までは、次のような流れで進みます。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 退職後10日前後 | 会社から離職票が届く |
| 申し込み当日 | ハローワークで求職の申し込みをし、受給資格が決まる |
| 申し込みから7日間 | 待期期間(退職理由に関係なく全員) |
| 待期期間の後1か月 | 給付制限(自己都合の場合) |
| 申し込みから約4週間後 | 1回目の失業認定(給付制限中のため支給はなし) |
| 申し込みから約8週間後 | 2回目の失業認定。数日〜1週間ほどで初回の入金 |
認定日の日程は人によって前後しますが、退職からの期間で考えると、最初の入金は2か月半ほど先になると見ておくと安心です。
1日あたりの金額は退職前6か月の給料で決まる
1日あたりにもらえる金額(基本手当日額)は、退職前6か月の給料の合計を180で割った「賃金日額」に、50〜80%(60〜64歳は45〜80%)を掛けて計算します。給料にはボーナスを含みません。給料が低い人ほど、掛ける割合が高くなる仕組みです。
目安として、額面の月給を30で割った金額の5〜8割が1日あたりの金額になります。例えば額面の月給が25万円なら、1日あたりおよそ4,100〜6,600円です。年齢ごとに上限額と下限額があり、毎年8月に見直されるため、正確な金額はハローワークで受給資格が決まったときに確認できます(参考:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」)。
もらえる日数は雇用保険の加入期間で90日から150日になる
自己都合で辞めた場合、もらえる日数(所定給付日数)は年齢に関係なく、雇用保険に加入していた期間で決まります。
| 雇用保険の加入期間 | もらえる日数 |
|---|---|
| 10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
20代で初めての転職なら、多くの人は90日です。月給25万円の例で計算すると、90日分の総額はおよそ37万〜60万円で、額面の月給の1.5〜2.4か月分ほどになります。
また、失業保険を受け取れる期間は、原則として退職日の翌日から1年間です。申し込みが遅れると、日数が残っていても1年を過ぎた分は受け取れなくなるため、離職票が届いたら早めに手続きしましょう。
給付制限がなくなるケース
自己都合で辞めた場合でも、次のどちらかに当たると給付制限がなくなり、待期期間の7日が終わった後から支給の対象になります。
- 離職理由が実態として会社側の事情によるもの(特定受給資格者・特定理由離職者)と認められた場合
- 2025年4月以降に、リ・スキリングのための教育訓練などを受けた(受けている)場合
教育訓練で給付制限を解除するには、訓練を行う施設が発行する証明書が必要です。対象になる訓練の条件は細かく決まっているため、受講する前にハローワークで確認しておきましょう。
- 初回の入金は申し込みからおよそ2か月後になる
- 1日あたりの金額は退職前6か月の給料で決まる
- もらえる日数は雇用保険の加入期間で90日から150日になる
- 給付制限がなくなるケース
ハローワークで失業保険を受け取るまでの手続き
手続きは、住んでいる地域を管轄するハローワークで行います。申し込み、説明会への参加、4週間に1回の失業認定という流れです。
離職票が届いたらハローワークで求職の申し込みをする
離職票が届いたら、次のものを持ってハローワークに行き、求職の申し込みをします。この日に受給資格が決まり、待期期間が始まります。
| 持っていくもの | 補足 |
|---|---|
| 離職票(1と2) | 退職した会社から届く |
| マイナンバーカード | ない場合は、通知カードなどの番号確認書類と運転免許証などの本人確認書類 |
| 写真2枚(縦3cm×横2.4cm) | マイナンバーカードを毎回提示する場合は省略できる |
| 本人名義の預金通帳かキャッシュカード | 一部の金融機関は使えない場合がある |
ハローワークによって必要なものが異なることがあるので、出かける前に管轄のハローワークのホームページで確認しておくと確実です。
雇用保険受給説明会に参加する
申し込みのときに案内された日に、雇用保険受給説明会に参加します。説明会では、失業認定の受け方や求職活動の数え方などの説明があり、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取ります。1回目の失業認定日もここで確認できます。
4週間に1回の失業認定日に求職活動の実績を報告する
失業保険は、4週間に1回の失業認定日にハローワークへ行き、その期間に求職活動をしたことを報告して、認定を受けることで支給されます。認定日の前日までに、原則として2回以上の求職活動の実績が必要です。
認定日は決められた日に行く必要があり、行かなかった期間の分は原則として支給されません。面接などでどうしても行けない場合は、事前にハローワークに連絡して日程を変更してもらいましょう。
失業保険の受給中に守るべきルール
受給中は、申告の内容をもとに支給額が決まります。知らずにルールを破ると、支給が止まったり、受け取った金額の返還を求められたりするため、次の2つは必ず押さえておきましょう。
アルバイトをしたら必ず申告する
給付制限中や受給中にアルバイトをすることはできますが、働いた日は失業認定申告書に必ず書きます。収入が少なくても、手伝い程度でも申告が必要です。申告しないと不正受給となり、受け取った金額の返還に加えて、さらにその2倍までの金額の納付を命じられることがあります。
また、待期期間の7日間は働かないようにしましょう。週20時間以上で31日以上続く見込みの仕事に就くと、就職したとみなされて失業保険は受け取れなくなります。働く予定がある場合は、事前にハローワークに相談しておくと安心です。
求職活動の実績として認められる活動を確認しておく
求職活動の実績には、求人への応募、ハローワークでの職業相談、ハローワークや許可を受けた民間の転職支援会社が行う相談やセミナーへの参加などがあります。求人サイトを見ただけ、知人に紹介を頼んだだけ、では実績になりません。
何が実績として認められるかは細かく決まっているため、説明会の資料で確認し、迷ったらハローワークに聞いておきましょう。
受給期間内に転職を決める計画を立てる
失業保険の手続きを終えたら、次はお金が入る時期と金額から、転職活動の計画を立てます。失業保険は生活を支えてくれますが、もらえる日数には限りがあるからです。
入金までの約2か月分の生活費を先に確保する
最初の入金までの約2か月は、収入がない状態が続きます。その間の家賃や食費、健康保険や年金、住民税の支払いを書き出し、貯金で足りるかを先に確認しておきましょう。健康保険・年金・住民税の手続きと支払いについては「退職の流れと手続き|退職日から退職後までやることを順番に解説」でまとめています。それぞれの期限と健康保険の選び方は「退職後の手続き一覧|期限順にやることを漏れなく終わらせるチェックリスト」で解説しています。
計算するときは、「退職から給付が終わるまでの生活費」から「失業保険でもらえる総額」を引いた金額が、貯金から出ていくお金だと考えるとわかりやすくなります。給付日数が90日なら、退職からおよそ5か月で給付は終わります。
給付が終わる日から逆算して転職活動のスケジュールを決める
私自身、会社を辞めてから転職活動を始めた経験があります。貯金を崩しながら3か月ほどで決まると考えていましたが、自分が思っていた市場価値と実際の評価に差があり、活動は長引きました。その差を埋める期間が必要になり、最後はアルバイトで生活費をつなぎながら転職活動を続けました。当時は失業保険を受け取らずに活動していたため、生活費の頼りは貯金だけでした。
この経験から伝えたいのは、「何か月で決まるか」は自分の想定どおりにいかないことがある、ということです。受け取れるなら失業保険の手続きを済ませて、活動を続けられる期間を少しでも延ばしておきましょう。そのうえで、給付が終わる日を期限にして、そこまでに内定を得られるよう逆算してスケジュールを組みましょう。例えば、最初の1か月で自己分析と書類を仕上げ、2か月目から応募を始めて面接を重ねる、といった区切り方です。期限を決めておくと、途中で応募先の幅を広げるべきかどうかも判断しやすくなります。
転職活動の期間の目安と計画の立て方は「転職活動のスケジュール|3ヶ月を目標に逆算で進める計画の立て方」で詳しく解説しています。
早く決まれば再就職手当を受け取れる
給付日数を残して早めに就職が決まった場合は、「再就職手当」を受け取れることがあります。所定給付日数の3分の1以上を残して就職すると、残りの日数分の60%、3分の2以上を残して就職すると70%が、まとめて支給されます。
1年を超えて働く見込みがあることなどの条件があり、給付制限がある人は、待期期間が終わってから1か月の間はハローワークか民間の転職支援会社の紹介で決まった就職であることも条件になります。失業保険を最後まで受け取るより、早く決めたほうが結果的に損をしにくい仕組みです。
一人で進めず転職エージェントを使う
受給期間内に決めるには、応募先の選び方と書類の手直しに時間をかけすぎないことが大切です。転職エージェントは、希望や経歴に合う求人の紹介、書類の添削、面接の日程調整まで無料で手伝ってくれるため、限られた期間で応募と面接を進めやすくなります。担当者との面談は求職活動の実績として認められる場合もあるので、扱いはハローワークで確認しておきましょう。
無料の診断(1分ほど)
まだ迷っているなら、1分の質問で整理する
失業保険を当てにした計画を立てる前に、そもそも今辞めるべきかを確かめておくと、焦って次の職場を決めずに済みます。元採用責任者の視点で作った診断に答えると、今動くべきか、まだ今の職場で試せることがあるかがわかります。
転職すべきか診断を受ける- 入金までの約2か月分の生活費を先に確保する
- 給付が終わる日から逆算して転職活動のスケジュールを決める
- 早く決まれば再就職手当を受け取れる
- 一人で進めず転職エージェントを使う
編集部おすすめのサービス
当サイトの紹介のしかたについて:サービスの紹介は、各社の公式サイトで公開されている情報をもとにしています。当サイトで作った体験談や、事実を確かめられない口コミは掲載していません。
受給期間内に転職を決めたい方は、求人の紹介から書類添削、面接の日程調整まで無料で任せられる転職エージェントを活用しましょう。
リクルートエージェント|求人の数から相場をつかめる総合型
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 経験・年代を問わず転職を考えている方 |
| 料金 | 無料 |
| 求人数 | 公開求人 約82万件/非公開求人 約24万件(2026年9月29日時点・採用予定数) |
| サポート内容 | キャリア面談、求人紹介、書類・面接対策、年収交渉・入社日の調整 |
| 運営会社 | 株式会社インディードリクルートパートナーズ |
- こんな人におすすめ:まず求人の幅を見ながら、自分の経歴がどう評価されるかを確かめたい方
- 当サイトの基準で評価が高い点:求人の数が多く、面談から入社日の調整まで一通り任せられる
- 注意点:紹介される求人が多くなりやすいため、希望条件の優先順位を先に決めておきましょう
※ 公式サイトで公開されている内容です(確認日:2026年10月10日)。サービスの内容は変わることがあるため、申し込む前に公式サイトで確かめてください。
リクナビNEXT|自分のペースで探せて企業からのオファーも届く
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種類 | 転職サイト(担当者はつかず、自分で求人を探して応募する) |
| 料金 | 無料 |
| 掲載求人数 | 184万件以上(2026年10月10日時点の表示) |
| 主な機能 | 求人検索、企業からのオファー、AIによる働き方・求人の提案、職務要約の自動作成(会員限定) |
| 運営会社 | Indeed Japan株式会社 |
- こんな人におすすめ:担当者と話す前に、自分のペースで求人を見てみたい方
- 当サイトの基準で評価が高い点:求人を探しながら、オファーで企業側の反応も確かめられる
- 注意点:書類や面接の準備は自分で進めます。不安があればエージェントと併用しましょう
※ 公式サイトで公開されている内容です(確認日:2026年10月10日)。サービスの内容は変わることがあるため、申し込む前に公式サイトで確かめてください。
よくある質問
給付制限中にアルバイトをしてもいいですか?
できます。ただし、働いた日は失業認定申告書に必ず申告してください。待期期間の7日間は働かないこと、週20時間以上で31日以上続く見込みの仕事は就職とみなされることに注意しましょう。
離職票が届かないときはどうすればいいですか?
離職票は、退職後10日前後で会社から届くのが一般的です。2週間ほど過ぎても届かない場合は、まず会社に確認しましょう。それでも届かない場合は、ハローワークに相談すると、会社に手続きを促してもらえます。
給付日数のうちに転職先が決まらなかったらどうなりますか?
所定給付日数を使い切った時点で、失業保険の支給は終わります。原則として延長はないため、給付が終わった後は貯金やアルバイトで生活費をまかなうことになります。ハローワークの公共職業訓練を受けている場合は、訓練が終わるまで支給が延長されることがあります。
まだ会社を辞めていない場合はどうすればいいですか?
まだ辞めていないなら、在職中に転職活動を始めることも考えてみてください。失業保険をもらえるとはいえ、収入が減る中での転職活動は焦りにつながりやすいからです。辞めてから動くか迷っている方は「仕事を辞めてから転職活動をしても大丈夫?迷った時の考え方」を参考にしてください。
まとめ
自己都合で辞めても、失業保険は受け取れます。2025年4月以降の退職なら給付制限は原則1か月ですが、初回の入金は申し込みからおよそ2か月後です。20代で初めての転職なら、もらえる日数は多くの場合90日です。
- 離職票が届いたら、離職理由が実態と合っているか確認してからハローワークで申し込む
- 入金までの約2か月分の生活費を先に確保する
- 給付が終わる日を期限にして、転職活動のスケジュールを逆算する
失業保険は、転職活動を続けるための時間を支えてくれるお金です。手続きを済ませたら、受け取れる期間のうちに次の仕事を決められるよう、今日から計画を立てて動き始めましょう。



