「職場の人間関係がつらくて、もう仕事を辞めたい。でもこれって甘えなのかな」と、一人で悩んでいませんか。
私はWEB系の事業責任者として300名以上の採用面接に携わり、管理職として部下からの相談も受けてきました。その中でも多かったのが、業務量と人間関係の悩みです。この記事では、辞めていいかを自分で判断できる基準と、辞める前にできること、次の職場で同じ悩みを繰り返さない方法をまとめています。
人間関係で辞めるのは甘えではない
結論から言うと、人間関係を理由に仕事を辞めるのは甘えではありません。
厚生労働省の令和6年雇用動向調査でも、前の会社を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」を挙げた人は、男性で9.0%、女性で11.7%いました。人間関係は、転職した人の多くが実際に理由にしているものです。
人間関係は、自分ひとりの努力だけでは変えられない部分が大きい悩みです。だからこそ、我慢を続けることが正解とは限りません。
ただし、勢いで辞めると、次の職場でも同じ悩みを抱えることがあります。辞める前に、次の3つだけは確かめておきましょう。
- ハラスメントにあたる扱いを受けていないか
- 心と体に影響が出ていないか
- 相談や異動で改善する見込みがあるか
辞めていいかは3つの軸で決める
ハラスメントにあたるか
上司や同僚からの言動がパワーハラスメントにあたる場合は、我慢して働き続ける必要はありません。労働施策総合推進法では、職場のパワーハラスメントを次の3つをすべて満たすものとしています。
- 優越的な関係を背景とした言動であること
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること
- 働く人の就業環境が害されるものであること
当てはまると感じたら、いつ・誰に・何を言われたかを日付つきで記録し、社内の相談窓口や人事に相談してください。社内で相談しにくい場合は、各都道府県の労働局にある総合労働相談コーナーでも相談できます。
心と体に影響が出ているか
眠れない、食欲がない、休日も職場のことが頭から離れない、出勤前に涙が出たり体調が悪くなったりする。こうした状態が2週間以上続いているなら、辞めるかどうかを考えるより先に、まず休むことを優先してください。
有給休暇を使って休む、医療機関を受診する、会社に休職の制度があるか確かめる、といった方法があります。厚生労働省の働く人向けのサイト「こころの耳」では、電話やSNSで相談できる窓口も紹介されています。
改善の見込みがあるか
ハラスメントでもなく、心身にも大きな影響が出ていない場合は、相談や異動で状況が変わるかを確かめます。上司や人事に相談しても変わらなかった、異動の希望が通る見込みがない、という場合は、環境を変える段階です。
3つの軸で確かめた結果は、次のように整理できます。
| 確かめた結果 | 判断の目安 |
|---|---|
| ハラスメントにあたる | 記録を残して相談し、改善しなければ辞めてよい |
| 心と体に影響が出ている | 辞めるかどうかより先に、まず休む |
| 相談や異動で変わる見込みがある | すぐに辞めず、変わるかを試してみる |
| 相談しても変わらない・見込みがない | 在職中に転職の準備を始める |
つらさのタイプ別の対処
人間関係といっても、誰との関係がつらいのかで取れる対処は変わります。
上司と合わない
指示や評価に一貫性がない、意見を聞いてもらえないなど、上司との関係がつらい場合は、原因が上司側にあるのか、自分の伝え方にあるのかで判断が分かれます。上司と合わないときの判断は「上司と合わない・辞めたいと思ったら」で詳しく解説しています。
同僚や先輩と合わない
特定の同僚や先輩との関係がつらい場合は、仕事で関わる場面を減らせないかを考えます。担当や席を変えてもらう、やり取りをチャットなど文字中心にする、といった方法で負担が軽くなることがあります。
職場で孤立している
話しかけられない、輪に入れないと感じる場合は、仕事に必要なやり取りだけはきちんとこなし、それ以外の関係を無理に広げようとしないことも一つの方法です。孤立が仕事の進め方にまで影響しているなら、上司に相談するタイミングです。
職場全体の雰囲気が合わない
特定の人ではなく、職場全体の空気や価値観が合わない場合は、自分の努力で変えるのは難しくなります。社風が合わないと感じるなら、異動か転職で環境を変えることを考えてよい状態です。
辞める前にできること
上司や人事に相談する
私が管理職をしていたとき、部下から受ける相談で多かったのは業務量と人間関係でした。相談を受けたら、業務量を調整したり、役割分担を見直したり、人の配置を変えたりして対応していました。
会社側は、相談されて初めて動けることも多いです。辞めると決める前に一度相談してみると、思っていたより早く状況が変わることがあります。
異動や担当替えを相談する
会社を辞めなくても、部署や担当が変わるだけで人間関係の悩みがなくなることがあります。異動の制度があるか、希望を出せる時期はいつかを確かめてみましょう。
休職という選択肢もある
心身の不調が出ている場合は、休職して距離を置くこともできます。休職の制度や条件は会社によって違うので、就業規則で確かめてください。
辞めると決めたら
相談しても変わらない、環境を変えると決めたら、次は辞め方と次の準備です。
- 会社への伝え方:仕事を辞めたい人向け伝え方マニュアル
- 引き止められたとき:退職を引き止められたときの断り方
- 自分では言い出せないとき:退職代行の選び方
- 辞めたあとのお金:失業保険の自己都合のもらい方
人間関係を理由に辞める場合、失業保険は自己都合退職として扱われることが多いですが、ハラスメントが理由の場合は扱いが変わることがあります。当てはまる場合は、手続きの前にハローワークで確かめてください。
次の職場で同じ悩みを繰り返さないために
面接官は人間関係で辞めた人をどう見るか
人間関係が理由で辞めたこと自体が、面接で不利になるわけではありません。私が面接官をしていたときも、退職理由だけで合否を決めることはなく、全体で判断していました。
ただし、前の職場への不満だけを話す人には、「その問題は、どうすれば解決できたと思いますか」と深掘りして聞いていました。何が起きて、自分はどう動き、それでも辞めた理由は何かを、自分の言葉で話せるようにしておきましょう。伝え方は「転職理由の伝え方」で例文つきで解説しています。
応募先の人間関係を確かめる
次の職場で同じ悩みを繰り返さないためには、入社前に職場の雰囲気を確かめておくことが大切です。面接の最後の逆質問で、次のように聞いてみましょう。
- 配属予定のチームは何人くらいで、どんな方がいらっしゃいますか
- チーム内では、どのように仕事の相談や情報共有をしていますか
- 入社後は、どなたに仕事を教えていただく形になりますか
答えの内容だけでなく、聞いたときの面接官の反応も、職場の雰囲気を知る手がかりになります。逆質問の作り方は「転職面接の逆質問」で解説しています。
転職することが不安なら転職エージェントを使うのがおすすめ
ここまで判断基準や対処法、伝え方まで一通り確認してきましたが、それでも「一人で決めるのは不安」「誰かに背中を押してほしい」と感じる方も少なくないはずです。そんなときは、無理に一人で抱え込まず、専門的なサポートを頼ることも一つの選択肢です。
転職エージェントに相談するメリット
転職エージェントは、求人紹介だけでなく、「今の状況で辞めるべきかどうか」といったキャリア相談にも対応してくれる場合があります。
- 客観的な第三者の立場から、状況を整理する手助けをしてもらえる
- 業界・企業ごとの社風や人間関係の傾向について、実際の情報を持っていることがある
- 履歴書・面接での退職理由の伝え方について、具体的なアドバイスがもらえる
- 一人では気づけなかった選択肢を提示してもらえることがある
「まだ転職すると決めていない」という段階でも相談だけであれば利用できるサービスも多くあります。
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人間関係の不満は、自分の力で変えられるものかどうかで、取るべき行動が変わります。元採用責任者の視点で作った診断に答えると、今動くべきか、まだ今の職場で試せることがあるかがわかります。
転職すべきか診断を受けるよくある質問
人間関係で辞めると逃げたと思われませんか
退職理由だけで評価が決まることはほとんどありません。大切なのは、辞める前に何を試し、次の職場で何をしたいかを説明できることです。そこまで話せれば、逃げたという印象にはなりにくくなります。
入社してすぐでも人間関係を理由に辞めていいですか
ハラスメントや心身の不調がある場合は、期間に関係なく自分を守ることを優先してください。そうでない場合は、相談や担当替えを試してからでも遅くありません。短期間で辞めたときの伝え方は「短期離職の理由の書き方・伝え方」で解説しています。
転職しても同じことになりませんか
どの職場にも人間関係はあるため、悩みがゼロになるとは限りません。ただ、今回の悩みが特定の人なのか、職場全体なのかを整理しておけば、次の職場選びで同じ環境を避けやすくなります。
まとめ
- 人間関係を理由に辞めるのは甘えではない
- 辞めていいかは、ハラスメント・心と体への影響・改善の見込みの3つで判断する
- 心身に影響が出ているなら、判断より先にまず休む
- 辞める前に、上司や人事への相談、異動を試す
- 次の職場では、逆質問で人間関係を確かめてから選ぶ



